- 2025年8月3日
学会発表をしてきました
進藤ファミリークリニックたつの 院長の進藤です。
6月14-15日に長崎県で開催された日本在宅医療連合学会と、6月20-22日に北海道で開催された日本プライマリ・ケア連合学会で発表してきました。
在宅医療連合学会では、私が宍粟総合病院と連携して立ち上げた宍粟市北部(千種町・一宮町北部・波賀町)での訪問診療体制について報告しました。
宍粟市千種町・一宮町北部・波賀町は、医師不足や宍粟総合病院からの距離が遠いことを理由に、これまで訪問診療がほとんど実施されていない地域でした。しかしながら、訪問看護を利用されている方は多く、訪問診療のニーズが高い地域でもありました。そこで私が「はりま姫路総合医療センター」から2週間に1回、宍粟総合病院へ出向し、2023年より同地域で訪問診療を開始しました。約2年で多くの患者さんを診療し、これまで患者さんやご家族の希望があっても実現できなかった「在宅でのお看取り」も可能となりました。
同様に、医師不足などを背景に、ニーズがあるにもかかわらず訪問診療が行われていない地域は日本中に存在します。2週間に1回程度、在宅医療に精通した医師を派遣すれば、大きなトラブルなく訪問診療を新たに開始できることをお伝えできたことで、この問題の解決に少しでもつながればと思います。


日本プライマリ・ケア連合学会では日本母性内科学会とのジョイントプログラムを企画し、シンポジウムとして大勢の聴衆の前で発表をしてきました。
医療過疎地域では、産婦人科クリニックの減少が顕著です。私のように妊婦健診や婦人科診療が実施可能な総合診療医が増えることで、そうした地域において患者さんのお役に立てる場面が増えると考えています。しかし現状では、産婦人科診療(ウィメンズヘルス診療)を行えるようになるための総合診療プログラムはまだ十分に整備されているとは言い難く今後の整備が必要です。
今回はその一環として、母性内科学会に所属するリウマチ膠原病専門医や産婦人科専門医の先生方と協力し、講義を行いました。当日は立ち見が出るほどの盛況で、非常に有意義な時間となりました。
なお私は感染症専門医資格を有していることもあり、最近急増している梅毒の診断と治療について体系的にお話してきました。


開業準備の合間を縫って2つの学会発表の準備をするのは大変でしたが何とかやりきることができました。開業後も学会にはできるだけ参加し龍野から医療情報を全国に発信していく予定です。
暑い日が続きますので、皆さまどうぞ熱中症には十分ご注意のうえお過ごしください。